肝臓に6つの効果が?肝臓に負担をかけないコーヒーの飲み方のコツ

コーヒーの成分は「カフェイン」だけではありません。コーヒー文化は年々盛り上がり、ここ10年で更に研究が進んだため「肝臓機能」にも嬉しい成分が発見されてきています。今回は「肝脂肪」から始まるやっかいな病気の予防にも役立つ情報をまとめました。






1)コーヒーは体にいい?悪い?

コーヒーが日本で本格的に普及し始めたのはほぼ戦後のこと。

お茶などに比べるとまだ「食経験が少ない」と言えますし、浸透し始めてからの研究内容も十分とは言えません。そのようなことが、現在もコーヒーに関するイメージには良し悪しでバラつきがあり、情報が氾濫していることの要因とも言えるでしょう。

【1】コーヒーが体に良い点

ハーバード大学で行われた研究(20万人以上が対象)などから以下の「良いこと」が、明らかになっています。(※どれも可能性という範囲です)

(1)心臓血管系や心疾患を軽減する。

(2)脳卒中になる確率を軽減する。

(3)肝疾患、最終的には肝臓がんのリスクを軽減する。

(4)パーキンソン病などの神経収縮の疾患リスクを軽減する。

(5)「2型」糖尿病のリスクを軽減する。

(6)あらゆる原因での「死亡率を下げる」。

【2】コーヒーが体に及ぼす懸念点

一般的に「カフェイン」というと、眠れなくなる、依存度が高い、などのマイナス要素が取りざたされがちですが、日常生活で食品から摂る場合ならばほとんど問題はありません。

しかし、日本には基準が設けられていませんが、海外では摂取量について制限のある国もあります。1度に大量に飲むことを避ける、次に摂るまでに時間を空ける、などを心がけると更に安心してコーヒーを楽しむことが出来るでしょう。

コーヒーの写真

2)コーヒーの代表的な成分について

コーヒーに含まれている主な成分としては、多糖類、脂質、アミノ酸、タンパク質、ポリフェノール、カフェイン、トリゴネン、水分、褐色色素(焙煎豆のみ)などから、今回は「代表的な3種」についてポイントを押さえておきましょう。

【1】カフェイン

(1)古代より利用されてきた

古代からコーヒーを飲むことによって得られる「覚醒作用」が注目されており、修道院などで行われていた長時間に及ぶ祈りや、部族の祈祷などにもその効果が利用されてきました。現在ではその作用は「カフェイン」によるものだと解っています。

(2)様々な作用

カフェインには「眠気を覚ます」他に「集中力を上げる」「解熱鎮痛」「利尿」など様々な効用が得られることでも知られています。体内に取り入れると、血流と共におよそ30分で脳に到達。交感神経を刺激する作用から、体脂肪を燃焼させる働きもしてくれるため、上手に取り入れれば非常に優れた成分です。

【2】クロロゲン酸

(1)カフェインよりも豊富なポリフェノール

コーヒーに含まれている「コーヒーポリフェノール」にも、他と同様に強力な「抗酸化作用」があります。実はコーヒーの成分としては、カフェインよりももこのポリフェノール類のほうが割合的に多く、コーヒーの色味や苦味、アロマの元になっているのです。ポリフェノールは、身体の中にある老化の原因「活性酸素」を除去するために必要な成分の1つです。

(2)優れた抗酸化作用

身体に溜まった「活性酸素」はほどほどにある分には良いのですが、過剰に増えすぎると細胞や遺伝子に影響を及ぼすと言われており、最終的には「がん」の原因にもなります。また、動脈硬化や心筋梗塞などの疾患の引き金として上げられる原因の1つでもあります。

このポリフェノール類の作用によって、糖尿病や肝がん、肝硬変などの肝臓系の疾患も、いわゆる「生活習慣病」の発症リスクが下がると考えられているのです。

【3】トリゴネリン

(1)新しい期待

トリゴネンはコーヒーに含まれている成分の1つですが、近年認知症や脳の老化に効果を示すのではないか、と期待されています。これはカフェインやポリフェノールの健康効果をよく知っているコーヒー通の方々の間でも、比較的新しい情報だと言えるのではないでしょうか。

(2)脳の老化などにもアプローチする

認知症や脳の老化は、神経細胞のニューロンが情報伝達物質を円滑にやりとりするのが困難になってしまうということ。それによって「忘れ物」や「記憶力の低下」を招いたりしますから、注意が必要なのですね。

3)古来より秘薬として愛されるコーヒー

コーヒーの発祥について「2大起源説」があるのをご存知でしょうか。どちらに信ぴょう性があるかの議論は尽きませんが、キリスト教国では「エチオピア起源説」イスラム教国の「アラビア起源説」が根強いという見方も出来ます。

いずれも「赤い実を食べること動物の動きが活発になる」という、事象を見た人からの伝承により、現在まで愛されることになったコーヒーですが、その始まりは嗜好品としてではなく「薬」からです。

【1】西暦900年頃(アラブの医師ラーゼス)

コーヒーは、10世紀初頭から飲まれ始めたのではないかと考えられています。なぜかというと「アラビアの医師ラーゼス」が残した記録に「バンと呼ばれる乾燥したコーヒーの実を砕いて水に浸して煎じ、バンカムと呼んで医薬にしていた」と書かれているから。

そのため、長い間「コーヒー」は「門外不出の秘薬」として伝えられてきました。宗教儀式の前に眠気を払う霊薬としても、使われていたそう。つまり、現在のように「豆を煎って」飲むようになるのは、もう少し後のことです。

【2】西暦1600年頃

(1)コーヒー文化の広がり

14世紀中頃に「カーネス(世界最古のコーヒー店)」が当時のコンスタンチノープル(イスタンブールのこと)にオープン。しかし、度重なるコーヒー弾圧が起きては撤廃されという繰り返しで混乱も起きました。

ヨーロッパ諸国へのコーヒーの広がりは、15世紀初頭のベネチアが皮切りだと言われており、そこからヨーロッパ全土へと浸透していきます。

(2)コーヒー文化の成長

やがてフランスでドリップ式、イタリアでエスプレッソという淹れ方が考案され、コーヒーを飲む「スタイル」が徐々に変化していきました。また「現存する最も古い喫茶店」は1720年にベネチアで開店した『カフェ・フローリアン』というのも、合わせて覚えておきたいですね。

【3】西暦1724年の日本

日本に初めてコーヒーが持ち込まれたのは、1690年のこと。そして、1724年(8代将軍・吉宗の時代)には、西洋のテーブルマナーについて講義した内容の記録「和蘭(オランダ)問答」の中で、コーヒーのことだと思われる記述があり『唐茶』として紹介されています。

カフェでパソコンを見ながらコーヒーを飲む

4)怖い「NASH」とは?

NASHとは「非アルコール性脂肪性肝炎(Non-alcoholic steatohepatitis)」のこと。肝脂肪には大きく分けて2つ主要な原因があると考えられています。ここからは「NASH」の意味や、コーヒーとの関係についてまとめます。

【1】脂肪肝について

「肝脂肪」の原因の1つは、肝機能が単純に低下した「単純性肝脂肪」です。そして2つ目は、なんらかの酸化ストレスや腸管内の毒素(エンドトキシン)が作用することで、幹細胞障害が発生する炎症。

そして、その炎症によって死んだ細胞の隙間を埋めるように、繊維化が進み「NASH」になります。この繊維化が進んだ状態が「肝硬変」そして、最後には「肝ガン」になってしまうこともあるのです。

【2】コーヒーと血圧の関係

近年、コーヒーが日本人の日常生活に浸透しているのを裏付けるように、健康診断の問診票などに「コーヒーを1日何杯飲むか」という項目が設けられることが増えています。

(1)γ-GTPと血圧の関係

緑茶の杯数を聞く以外に、コーヒーの設問が出来たのには「y-GTPの数値が高い人は高血圧が多い」という報道や研究があったためで、同様に心臓病なども多い傾向にあるとされていたようです。

しかし「y-GTP」は本来「肝機能を測る代表的な数値」であることから、それが高い場合は「肝脂肪」を指します。つまり「肝臓」と「高血圧や心臓病」はあまり関連性がないと言えました。

(2)コーヒーとγ-GTPの関係

1990年ごろから、コーヒーは「肝障害を改善する」という研究が海外で発表されていました。研究者たちは、これらの情報を組み合わせ「コーヒーを飲むことで、y-GTP値を下げ更に血圧も下げられるのではないか」と考えました。

(3)「コーヒーが血圧を下げるか」の実験

アルコールを飲む男性に、コーヒーを飲む・飲まないなどのグループ分けをして血圧を測る実験を行ったところ、「コーヒーを飲んでいる間、血圧が下がって」いました。その実験の当時、「コーヒーにはカフェインが含まれるため、血圧は上がるのでは?」と思われていたようですが、結果は逆だったのです。

その頃のアメリカでの研究によると、「カフェインの効果は一過性である」との見方があり、コーヒーを継続して飲む人は身体が慣れているので、カフェイン自体が血圧に影響することはない、とされていました。

(4)コーヒーの効能

「血圧には酸化ストレスが関係していて、コーヒーに含まれているクロロゲン酸などのポリフェノール類の持つ抗酸化作用によって血行が良くなり、それによって血圧が下がったのではないか」という仮説が出来ました。この結果が発表されたことで、大きな反響があったようです。

5)コーヒーが体にもたらす作用

コーヒーと血圧との関係性を足掛かりに、今度はコーヒーと「肝機能」についての研究が進みました。いくつかの実験があったようですが、国内では約4500名のデータをはじめ、多数の案件(※海外で20万に以上を対象に30年以上の期間対象者を追い、その間におよそ3万2千人が死亡しているというデータも含まれる)から「コーヒーは肝機能を改善する」という結果を得ることが出来たのです。

アメリカでは「コーヒーを飲むことで肝障害の人にも改善効果がある」というものや、イタリアでは「コーヒーが肝硬変を予防する」など。2013年には「コーヒーを1日3杯飲むと、肝細胞がんのリスクが半分になる(※メタ解析)」という結果も得られているそうです。

コーヒー豆やコーヒー

6)ここには注意を!コーヒーを飲む上での注意点

【1】カフェインの過剰摂取

コーヒーが「苦手」な人の挙げる理由には「眠れなくなる」や「胃もたれする」または「吐き気がする」などが多く見受けられますが、それらが「カフェインが原因」で起きている場合は、コーヒーをどれくらい飲んでいるかが重要になります。

つまり「カフェインの過剰摂取」です。しかし飲み始めたときからこのような感覚があるなら、「コーヒーが酸化」している可能性が考えられます。

【2】コーヒーの「酸化」に注意!

焙煎コーヒー豆に含まれる油脂は全体の15~20%を占めます、コーヒーが古くなるとそれらが酸化して「過酸化脂質」に変わってしまうのです。これは身体にとって良いものではありません。

酸化した油脂などは「肝臓で処理」されます。過酸化脂質は体内の「活性酸素」を増やしてしまいますから、肝臓はその増えすぎた活性酸素によってダメージを受けるのです。酸化したコーヒーは風味も落ちていますから、常に新しいものを摂れるように購入する量などを調整しましょう。

7)コーヒーの酸化を防ぐには?

目に見えて形や味が変わらないからと言って、開封したときの状態を保てているわけではありませんので、注意が必要です。

飲み慣れてくると、コーヒーがちょっと湿ったようになっていたり、ドリップのときにお湯がそのままストンと落ちていくような感覚があったり、香りだけも解るようになりますが、具体的な保存方法も合わせてご紹介します。

8)コーヒーの保管方法と機関

まず押さえておきたいのは「コーヒーは生鮮食品」であるということです。豆の場合は1週間くらいで飲みきれる量なら常温保存で良いでしょう。粉や豆でも1週間以上飲み切るのにかかるようなら、冷凍保存がオススメです。

また、匂いを吸収しないよう、「密閉容器」に入れるようにするのがポイントです。コーヒー豆のパッケージ袋を留めた上で、さらにジップロックなどに入れておくと良いでしょう。

9)コーヒーは1日に何杯飲むのが適量?

【1】日本人の平均量は?

世界のコーヒー消費量レポートで見ると、年間340杯のコーヒーを消費する日本は、全体の第29位で「1日約0.9杯を消費している」という結果になります。

【2】コーヒーの1日摂取量は?

成人が摂取しても身体に影響がないとみられる、1日当たりのカフェインの最大摂取量を「欧州食品安全機関(EFSA)」の基準で見てみると、成人なら1日400mg、コーヒー1杯(150ml)当たりのカフェイン量をおよそ80mgとすると、約5杯程度でカフェインの最大摂取量となります。

10)コーヒーをあまり摂取しない方が良い人は?

「世界保健機構(WHO)」では「紅茶、ココア、コーラ飲料は、ほぼ同程度のカフェインを含み、コーヒーにはこれらの約2倍のカフェインが含まれている。このため、カフェインの胎児への影響についてはまだ確定していないが、妊婦はコーヒーの摂取量を1日3~4杯までにすべき」という見解を出しています(2001年)。

また成人前の子供に関しても、身体がしっかりと出来上がっていない分、様子を見ながら摂取するのが望ましいでしょう。

コーヒーを淹れるマスター

11)コーヒーと肝臓に関するQ&Aコーナー

【1】ブラックコーヒーを1日5杯、週に3日飲むと肝臓への負担は?

(1)数字上は問題ないことでも

日本には「カフェイン摂取量の規制」がありませんので、他国のガイドに従ってお答えすると「1日5杯」は健康な成人であれば、許容量内になります。

それを週に3回であれば数字上は問題ありませんね。「コーヒーを1日に5杯飲む人は、肝がんのリスクが通常の4分の1まで低下する」というデータもあります。

(2)自分なりの許容量を知る

しかし、カフェインの許容量には個人差、体調なども関係してきます。今回ご紹介した「酸化したコーヒー」でないことや、生鮮食品として管理出来ている「自分の身体にとって良いものか」を考えながら摂りましょう。

デカフェや、コーヒーを模したハーブ飲料「たんぽぽコーヒー」などのノンカフェインの代替品もたくさん販売されています。

【2】お酒を飲んだ後のコーヒーは肝臓に負担がかかりますか?

(1)クロロゲン酸が重要

肝機能の保護を目的にするのであれば、重要なのは「カフェイン」ではなく「コーヒーポリフェノール(クロロゲン酸)」ですので、お酒を飲んだ後は「デカフェ(ノンカフェイン)」のコーヒーもオススメ。カフェインも一緒に摂ると、相乗効果でお酒を飲みすぎたり、覚醒作用で眠れなくなったりする可能性があるからです。

(2)次の日のコーヒーは?

アルコールを摂取した翌日は胃粘膜が荒れている状態であることが多いです。比較的刺激の強いブラックコーヒーは、胃粘膜にダメージを与える可能性もあります。

つまり、お酒を飲んだ翌日の午前中は「胃の粘膜を保護し肝臓の機能を回復する」ため、牛乳成分などが含まれたカフェラテ系または豆乳で作るソイラテなどを飲んでみるのが良いでしょう。






まとめ

【1】コーヒーに対しての意識は変わってきた

【2】コーヒーにはカフェイン以外にも色々な成分が含まれている

【3】古代から「薬」として使われてきたコーヒーの歴史

【4】発見に関する「2大説」と15世紀までの流れ

【5】日本に持ち込まれた当時のこと

【6】「y―GTP」はコーヒーを飲むことで下げられる?

【7】コーヒーは肝機能を改善する?

【8】コーヒーが「酸化」することで起こる弊害

【9】1日の許容量と基準について

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