コーヒーと血管の関係って? カフェインに秘めるパワーがすごい

コーヒーと血管の関係について、皆さんはどれくらい知っていますか。最近では体調不良と気候の関わりについても研究が進んでおり、頭痛専門の外来などが設置されています。今回は、コーヒーに含まれる成分と、身体への影響をまとめました。






1)知っていますか? コーヒー摂取が「血管」にもたらす影響のこと

【1】カフェインによる効果と、人体における「血管」の重要さ

(1)カフェインの効果とは?

一般的に「コーヒー」を飲むことで働く「カフェイン」を含む成分の効果は以下の通りです。

「中枢神経を刺激する」…思考力、運動機能向上、眠気や疲労感の緩和

「骨格筋に作用する」…筋肉の疲労を軽減する

「心筋に作用する」…血管の収縮を促し拍出量を上げる

「腎臓の血管拡張」…尿の生成を増加させ、老廃物や疲労物質などを排出する

「胃酸分泌促進」…胃酸の分泌を促進する

このように、コーヒー(カフェイン)は「覚醒作用」と「鎮痛作用」を中心に、身体の色々な部分に影響を与える飲み物であることが解ります。

(2)血管の老化とは?

一方、ヒトの「血管」は、一般的に50代くらいから老化が進むと言われています。

しかしそれはあくまで平均値であり、喫煙やストレス、生活習慣などが原因で、まだ若い年齢の人が、血管だけ老人並みに老化する、というケースが非常に増えているのです。

それが「一日にタバコを1箱以上吸い、ラーメン中心の不健康な食生活をしていた20歳の大学生が、心筋梗塞を起こして運ばれてきた事例(池谷医院)」にも現れています。

ちなみに「動脈硬化による血管の事故」は、男性のほうが圧倒的に多く、女性の4倍もあるそうですから、コーヒー愛好家の中にも当てはまる方が多いといえるでしょう。

出典:「珈琲事典(新星出版社)」「珈琲の事典(成美堂出版)」「人体解剖図(成美堂出版)」

参考:週刊現代(http://gendai.ismedia.jp/articles/-/34112

【2】頭痛外来と「偏頭痛」

(1)専門的な外来を持つ「頭痛」

「頭痛外来」とは、症状を訴えて訪れる人の「頭痛」が「他の病気が引き起こしている頭痛」なのか 「命に別状はない、多くの人を悩ましている慢性頭痛」なのかを、問診、診察、検査などを通して判断する」専門外来のこと。

「他の病気が引き起こしている頭痛」の場合は、その原因となっている病気を治すことが重要な治療の目的になります。 (例:風邪、発熱、などの他、まれにくも膜下出血、脳出血、脳梗塞、脳腫瘍、髄膜炎など危険な病気も含む)

それ以外で「命に別状はない、多くの人を悩ましている慢性頭痛」の場合、治療目的はその「頭痛」自体をコントロールすることになります。(例:片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛など)

(2)片頭痛と緊張性頭痛

頭痛には、拡がって痛む「片頭痛」と、緊張して痛む「緊張性頭痛」があります。脳の血管が拡張することで発生する炎症物質が、更に血管を拡げることで起こるのが「片頭痛」。

この症状が起こりやすいのは、心身のストレスから解放されたとき。

急に血管が拡張することがあるようで、仕事のない週末などには注意が必要です。そのほか、寝過ぎ、寝不足、女性ホルモンの変動、空腹、疲労、光や音の強い刺激なども、「片頭痛」の誘因になると言われています。

一方、頭の横の筋肉や、肩や首の筋肉が緊張することで起きるのが「緊張性頭痛」。

筋肉の緊張で血流が悪くなり、筋肉内に溜まった老廃物が、その周囲の神経を刺激し起きる痛みだと言われています。その原因は、精神的・身体的ストレスであることが多く、長時間同じ姿勢をとり続けている人に起こりやすいようです。

また、筋肉の緊張以外に、うつ病など心の病気が原因となる場合もありますから注意が必要です。

(3)カフェインは片頭痛に

そして、コーヒーに含まれる「カフェイン」が、有効だとされているのは「片頭痛」に対してです。

「緊張性頭痛」は緊張によって誘発される頭痛ですから、コーヒーだけではなく「チョコレート」や「紅茶、緑茶」「チーズやハム」などの加工品も、症状が出ているときには避けた方が良いでしょう。

出典:「人体解剖図(成美堂出版)」

参考:頭痛オンライン(http://www.zutsu-online.jp/index.html

北里大学研究所病院・頭痛外来

https://www.kitasato-u.ac.jp/hokken-hp/visitor/section/soc/headache/

さわい健康推進課(https://www.sawai.co.jp/kenko-suishinka/illness/200909-01.html

コーヒーカップ

2)コーヒーの飲みすぎは危険? カフェインのメリット・デメリット

【1】カフェインて、ホントはどんなもの? 最近注目の「効果」って!?

(1)薬として始まったコーヒー

カフェインの抽出元のコーヒーの飲用は、薬として始まりました。その「覚醒作用」は古来より注目され、現在に至るまで幅広く世界的に利用されています。

そんな「カフェイン」はコーヒーや清涼飲料水、チョコレートなどの菓子類、また頭痛薬など「薬」にも入っていますが、摂取後、血流に乗って約30分で脳に到達する物質です。

【2】カフェインの注意点と、適切な摂取量は?

(1)カフェインの上限は?

カフェインは、コーヒーだけに含まれているわけではなく「紅茶、緑茶、煎茶」などのお茶類や「コーラー、ココア、マテ茶」などそれ以外の飲料、また栄養ドリンクなどにも多く含まれています。

どれくらいのカフェインを摂取で身体に影響が現れるかは、個人差が大きいので、日本では「毎日摂取して健康に影響の出ない推定量」は設定されていません。

しかし海外では、妊婦のカフェイン摂取目安量などを含めて数値を示している国があり、妊娠中及び授乳中はカフェインを摂りすぎないように留意しよう、という考えが一般的になっています。

また「子どものカフェイン摂取目安量」についても、日本では設定されていません。(※海外では目安量を示している国がある)

【3】カフェイン依存症に注意

(1)気を付けたい「中毒症状」

カフェイン中毒による症状として「焦燥感」「神経過敏」「興奮」「不眠」「顔面紅潮」「嘔吐」「頻尿」

「頻脈、不整脈」「痙攣」などがあります。これらの症状が出た場合はすぐに使用をやめ、症状が続く場合は医療機関へ相談してください。(※日本でも2015年にカフェイン中毒による初の死亡例が確認されている)

【WHO】では、カフェインの胎児への影響については推定していないものの、妊婦はコーヒーの摂取目安量を1日3~4杯までにすべきとしています。

【オーストラリア】では、妊娠中、授乳中の女性はカフェインの摂取を控えるように、また一日あたり300mgを超えないように勧告している。

【韓国】では、子どもは体重1kgあたり2.5mg以下、大人は400mg、妊婦は300mgとしている。

(2)細かい規定のある国

【カナダ】では、カフェインを摂り過ぎると、不眠、頭痛、イライラ、脱水、緊張を引き起こすため、子ども、妊婦、授乳中の女性に対しは注意喚起を行っているが、健康な成人は一日最大400mg以内の摂取は影響ないとしている。

また4~6歳の子どもには一日最大45 mg、7~9歳の子どもには、一日最大62.5mg、10~12歳の子どもは一日最大85mg、妊婦や授乳中の女性は一日最大300mgまでとしており、かなり細かい設定がされていると言えます。

コーヒー 飲む女性

3)実は・・・コーヒーと心血管病の関係

【1】血栓が心筋梗塞や脳梗塞を引き起こす

(1)どんな病名がある?

心・血管疾患は「サイレントキラー」とも呼ばれ、癌などと同様に、症状が無いまま病状が進行し、症状が現れたときは重症になっていることがあります。

また心・血管疾患から心臓発作、脳卒中、足の切断および死亡に至る場合もあり、生活習慣病(糖尿病、高血圧、高脂血症、肥満)から、または家族歴のある方、喫煙の方に多い病気、とされています。

(2)きっかけは「炎症」?

それらの「心血管病」の恐ろしさは「発症してから、致死的な状態になるまでの時間が短いケースが多いこと(東京大学大学院医学系研究科・鈴木準教授より)」です。

また近年の研究で、動脈硬化は「血管に脂肪分が溜まって引き起こされており、コレステロールが良くないのは変わらない」が、最終的に「血管が詰まるかどうか」とは別の話である。という見解が示されています。

では、血管が詰まるのはなぜなのかと言いますと、それは「炎症」によるものではないかという研究がなされています。

つまり、血管の内側を覆う内皮細胞がなんらかのきっかけで傷つけられ、それを修復しようと血が固まって血栓が出来る。そのきっかけが「炎症」ということなのですね。

(3)抗炎症作用のある物質

「血管内部の炎症から生まれた血の塊が、心筋梗塞や脳梗塞、脳出血を引き起こす」→「心筋炎は心臓の筋肉組織が炎症を起こす」→この二つの炎症とコーヒーの関係について、マウスを用いた実験が行われました。

同氏は「コーヒーやお茶を飲んでいる人は、炎症がひどくなりにくい傾向がある」という見解を持っているそうです。そして「クロロゲン酸」には、多くの生体内効果が報告されていると言い、特に炎症に効く『抗炎症作用』があるとしています。

出典:「珈琲事典(新星出版社)」「珈琲の事典(成美堂出版)」

参考:全日本コーヒー協会(http://coffee.ajca.or.jp/)東京大学大学院医学系研究科 先端臨床医学開発講座より

塩田パートナーズ(http://www.s-fmc.jp/hhp/heart/

コーヒー ビジネス

4)カフェイン以外のコーヒー効果

【1】コーヒーに含まれるクロロゲン酸

(1)クロロゲン酸と「抗酸化」

コーヒーには多種の成分が含まれているというのは、近年の研究の成果もあり一般的にも知られるところとなりましたが、その中でもやはり「カフェイン」と双璧をなす成分は「クロロゲン酸」でしょう。

こちらは、コーヒーから単離されたタンニン(ポリフェノール)の1種です。生豆(なままめ)に特に多く含まれており、熱に弱い性質があり、焙煎が進むと分解されてしまうので「浅煎り」コーヒーの方がより効果的に摂取出来るとも言われています。

また、このクロロゲン酸はごぼうやイモ類などにも含まれていますから、そちらと組み合わせてコーヒーを取るようにすると、摂取総量をアップさせることが出来ますね。

植物の切り口が「茶色くなる」原因の物質ですが、これこそがクロロゲン酸が「抗酸化物質」であり、切り口の「酸化」を防止する証拠であるとも言えます。

(2)カフェインレスコーヒーを活用する

カフェインレスコーヒーは「カフェイン中毒」まではいかずとも、日々のカフェインの摂りすぎが気になる人の強い味方です。

薬剤でカフェインを除去する方法と、水にさらすことでカフェインを除去したものがありますので、お好きな方をセレクトしてください。

カフェインを除去した「カフェインレスコーヒー(デカフェ)」でも、コーヒーの成分である、ビタミンB群のナイアシンとビオチンなどをはじめ、クロロゲン酸、ミネラル類ではカリウムとマグネシウムが含有されています。

(3)コーヒーとその他の栄養素

ナイアシンは循環系をはじめ、消化系や神経系の働きを促進し、アセトアルデヒド(二日酔いの原因)を分解する働きがあります。

またコーヒーが身体を冷やすと言われますが、ナイアシンには血管を拡張する働きで血行をよくする作用があり、(またカフェインには、覚醒作用や利尿作用の他に体熱産生作用がある)そのような事実は現在ではないとされています。(※内熱を取る、という表現は使われている)

ビオチンには三大栄養素(タンパク質・脂質・糖質)の代謝を助けると共に、エネルギーに変える働きがありますので「疲労回復」を早めてくれます。

(4)クロロゲン酸への期待

また海外の研究で、コーヒーを飲む人は、全く飲まない人に比べて「糖尿病になる確率」が女性では30%、男性では50%少ないというデータが示されています。

これは、クロロゲン酸に「糖の吸収を抑制し、インスリンの分泌を促進する効果」があるからだとされています。

更に、クロロゲン酸のポリフェノールが「動脈硬化を抑制」することから、コーヒーの摂取量が多い人ほど、脳梗塞になる確率が少なくなるというデータも示されているそうです。(米・ハーバード大学発表による)

出典:「珈琲事典(新星出版社)」「ビタミンブック(主婦の友社)」

参考:食品の効果効能事典(http://www.kounoujiten.com/

コーヒー豆 コーヒー粉

5)コーヒーと血管に関するQ&Aコーナー

【1】インスタントコーヒー&缶コーヒーは身体に悪いの?

コーヒーの成分やカフェインに関して言えば、インスタントや缶コーヒーだからと言って、ドリップで淹れたコーヒーと大きな差はありません。

しかし、ドリップコーヒーに比べて「簡易性」が特徴であることから「混ぜ物」をする機会も多い種類であることは確かです。今回の「血管」という観点から見ますと、やはり「ブラック」で「砂糖」や「ミルク」を入れずに飲めるものが、最良の飲み方であるようです。

しかし、アレンジコーヒー(コーヒー焼酎など酒類を含む)や、カフェインの摂取を目的にする場合は、インスタントコーヒーや缶コーヒーも重宝しますし「牛乳」の成分とは元々相性が良いですから、組み合わせは用途や目的によると言えますね。






まとめ

【1】コーヒーが血管に良いとされる根拠として、コーヒーの働きをおさらい

【2】大きく分けて2種類ある「頭痛(血管の収縮で起こる)」のうち、コーヒーが有効な症状とそうでないもの

【3】コーヒーを飲みすぎると起きる可能性のある「カフェイン中毒」について

【4】カフェインの摂取規定について、目安量などをチェック

【5】心血管病とコーヒーについての最新研究と、クロロゲン酸の活躍について

【6】インスタントコーヒーや缶コーヒーが「健康」に影響するか、相性の良い組み合わせは?

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